メイクアップアーティストの理想的な「手」には次のことがあります。
・手のひらが柔らかいこと ・指先が敏感であること ・手が温かいこと
そして、このような「手の個人差」もさることながら、
・衛生観念をもっていて、かつこまめに手を洗う・消毒(清拭)を実行できる も大切です。
メイクアップは、手技ですから「手」が直接、お肌に触れます。
また、スポンジやメイクアップブラシなどのツールも使いますから、 それを手や指の延長として使いこなします。
その結果、「キレイにメイクアップをされた(できる)」というのは 、プロフェッショナルですから当然です。
それと同じく「メイクアップをされていて心地よい」という評価も大切です。
もちろん、「心地いい」というのは手の動きやタッチ、リズムだけではなく、 会話や雰囲気も含まれます。
いわば、総合的に「快」を与えられるのが本物のメイクアップアーティストなのです。
そのこだわりは、「お肌への刺激」に対し、最大限の考慮をします。
中でも、
・コットン、ティッシュ、スポンジ ・メイクアップブラシの使い方 ・ペンシル類の尖端 ・メイクアップツール(金属類)
は、清潔であり、最低限のお肌に触れる回数と安全性を重視します。
これらの各詳細について、機会をみて、数回にわけてご紹介いたしますが、 いますぐにでもご留意していただきたいのは、
・不衛生なスポンジの使用 ・メイクアップブラシは「立てて使わない」
の2点です。
■不衛生なスポンジの使用
特にパウダーファンデーション用のスポンジ。 目詰まりを起こし、スポンジ表面の凹凸が識別できないくらい、 ファンデーションの顔料ほかで埋まっている。
原因は、メイクアップベースの油分が多過ぎるか、 メイクアップベースそのものの量が多すぎる場合です。
ファンデーションとメイクアップベース、そして皮脂が入り交じっている スポンジがお肌によいはずはありません。
また、このようなスポンジはファンデーション塗布時、 余分な力を使わないとがつきずらくなります。
・メイクアップベースを変えてみる ・メイクアップベースのつける量を少なくしてみる ・スポンジを「抗菌オレンジ パフ&ブラシクリーナー」のような、 公的研究機関で 抗菌効果を確認された専用のクレンザーで洗う。
お使いのスポンジ、特にポーチ内のスポンジを御確認くださいね。
■メイクアップブラシは「立てて使わない」
なぜか、化粧品コーナー内(少なくとも各社ビューティアドバイザーは、 教育を受けているはずですが...)でも散見する 「メイクアップブラシを立てて使う」ことです。
確かに、20年以上も前の粉物(粉体)コスメティックは、 硬くお肌にのりずらく、ブラシを立て「お肌にすりつけるように」使って、発色しました。
今のアイカラーやチークカラーは、ソフトタッチでもしっかり定着しますし、 発色もします。にもかかわらず、時代錯誤はなはだしい メイクアップブラシの使い方は、賛同できません。
特に、頬にスキントラブルがある場合、チークブラシを立てて使うと、 その毛先が刺激となっていることを忘れていはいけません。
ましては、ブラシの尖端を立て、くるくる廻して使うのは御法度です。
また、メイクアップブラシのメンティナンス(洗い方・乾燥・保管)も、 旧時代の方法がいまだ「定番」「標準」「プロ、オススメ」「メーカー、オススメ」になっています。
いずれこの誌面をお借りし、詳細にご紹介いたしたく思います。
また、毎日お使いの洗顔料についてワンポイントアドバイスですが、
■洗顔料をお使いになる前に、手を予洗する
まず手をあらかじめ石鹸で洗います。
手が汚れているときれいな泡が立ちませんし、お顔に汚れが移ってしまいます。
手を極少量の石鹸(ハンドソープなど)で簡単に洗っておくだけでも、洗顔料の泡立ちが違います。
アイナソープの効果を最大限に引き出すためにも、「手の予洗」をお薦めいたします。
また、クレンジングオイルをお使いの場合、 「クレンジング後、クレンジングオイルを水洗してもオイルの残留感がある (しっとり感がある)」のはお控えください。
洗顔料でオイル(鉱物油)をとるのは、本意ではありません。
あくまで、「お肌に、何も残っていない状態でアイナソープを使う」 というのが原則です。
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁 |