一般的にメイクアップ(お化粧)の評価に使われている
「厚化粧・薄化粧」という言葉。
厚化粧 = 舞台化粧 派手な けばけばしい 人工的 他 薄化粧 = 自然 ありのまま 印象が良い 他
そして、
厚化粧 = 歓迎されていないメイクアップ 薄化粧 = 理想的なメイクアップ
のようにも使われているようです。
そして、薄化粧は「ナチュラルメイクアップ」ともいわれ、 「好感度の高いメイクアップ」とも言われているようです。
ことろが、この「ナチュラルメイクアップ」・・・ メイクアップやビューティー専門家の中でも定義がありません。
しかし、言葉とおり
" 化粧をしていても自然で綺麗にみえるメイクアップ "
を「ナチュラルメイクアップ」といってもよいようです。
そして、これを言い換えると
" 御自身を変えず、自然に綺麗にみえるメイクアップ "
となります。このため海外のメイクアップアーティストは「ナチュラルメイクアップ」 とは使わず「ストレートメイクアップ」ともいいます。
*ここでは、" ナチュラルメイクアップ "に統一します。
" ナチュラルメイクアップ "を成立させるには、以下を御確認くださいね。 いずれも、御自身では「私は大丈夫!」と思っていても、 第三者にはそう思われていないことが少なくありません。
●肌色とファンデーションの色が完全に一致しているか
パウダーファンデーション(パウダリー)・クリームファンデーション・ リクィド(リキッド)ファンデーションは、どんなに極薄くお肌にファンデーションを付けていても、 御自身の肌色・首の色との色があっていない限り「塗布感」が起きます。
そのことから、「ファンデーション自体を付けた厚み」よりも 視覚的な判断で「厚い・薄い」「自然・不自然」と判断されます。
また、いわゆる「白浮き」も、この色差で生じます。
御自身の肌色とファンデーションの色を完全に一致させるには、 通販などのカタログを参考にせず、手間であってもテスターのある店で ファンデーションを試用します。
紙の印刷やパソコンのモニターでは実際の商品色と異なるので、 あくまでファンデーションの特徴や仕様・価格などを参考にする程度に留めます。
ファンデーション選びのお薦めは、
・男性メイクアップアーティストに選んでもらう
男性は極めて客観的です。幸いにも、男性メイクアップアーティスト が常時店頭にいるメーカーも少しずつ増えています。
・対面販売をしているビューティーアドバイザーに選んでもらう
「試用」は、お肌にあったファンデーションを選ぶには最低限必要なことです。 お一人で御不安でしたら、お友達と御一緒にされるといいでしょう。
・美容室でアドバイスをもらう
美容室のヘアースタイリストは、メイクアップにも精通している方 もいらっしゃいます。施術中、お話ししている中、アドバイスをもらうこともいいでしょう。
ファンデーション選びは、メーカーやブランド、タイプや品質、 そして価格を問わず、「塗布色最優先」です。 つまり、「見た色ではなく、あくまでお肌につけた色」。
一度、「完全に御自身の肌色にあったファンデーション」を経験されると、 今迄思っていたファンデーションの見方が大きく変わるでしょう。
少し言い過ぎになるかもしれませんが、感動しますよ!
●アイブロウ、アイカラー他のポイントメイク
メイクアップは「化粧品の持つ色・質感・使い方」により、 イメージを変えたり、お顔の各所の大小縦横のバランスを錯覚で変化させることができます。
その面白さや楽しさがメイクアップの人気の秘訣であり、 メイクアップ各種製品が愛される理由でしょう。
しかし、特別な目的がない限り、年令を問わず異性・同性の好感度をアップするのが 「メイクアップの目的」であり「ナチュラルメイクアップ」だと思います。
中でも、ポイントメイクアップといわれる
・アイブロウ ・マスカラ ・アイカラー ・アイライン ・チークカラー ・リップカラー(口紅)
で使われるコスメティックは、たいてい色モノ(色がある)です。
極端に言えば、ブラックとブラウンや赤味を含んだカラー以外は、 人間の身体にはない色でありブルーやパープル他の色は人工的な装飾色になります。
また、パール類も過度であれば「お肌には、ありえない光沢」です。
つまり、自然ではありえない色や質感を使いずぎたメイクアップは、 " ナチュラルメイクアップ "とはいえないでしょう。
・唇の過剰なツヤ ・鼻筋や額の不自然な光沢 ・チークカラーのいれ過ぎやムラ ・眉の色違い ・雑な眉のラインと急な色の変化 ・マスカラのダマダマ(ひじき状になっている) ・アイラインやマスカラが下瞼に移っている ・アイラインが跳ね上がっている ・アイカラーがはみでている
などがよく見られる、やり過ぎのメイクアップです。
もしかしたら「あの人、おかしなメイク...」と感じていた事が、 ご自分にもあるかもしれません。
もし、身近に小学生の女の子がいたらそれとなく聞いてみるものいいでしょう。
時々は、第三者の目で冷静に御自身のメイクアップを確認し、 自分らしく違和感のないメイクアップを探しましょう。
そのためも、写真やプリクラでメイクアップチェックをしたり、 リバーサルミラーという鏡を使ってみてもいいかもしれません。 過度なメイクアップには必ずその原因と対処方法があります。
女性誌のメイクアップ特集や、 拙著「誰も教えてくれないメイクアップの基本」他、 メイクアップの解説書に、この答えが見つかるはずです。
*リバーサルミラー
普通の鏡ですと、映し出された像は左右反転しています。 つまり、人から見られたお顔とは左右違います。
そこで、左右が反転している像を元に戻して、 本当の自分を映す出すことができるのがリバーサルミラーという鏡です。
ヘアスタイルや、眉の型、目、唇、ほくろの位置などは 左右反転してみるとかなり印象が変わって見えます。
その、通常の鏡では確認できない姿を御自分でみることができるのです。
しかし、左右反対でメイクアップはやりずらいので裏側には 通常の鏡がついているとてもユニークな鏡です。
*プリクラは「プリント倶楽部」の略称。 「プリント倶楽部」はアトラスの商標です。
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁 |