メイクアップには、「正解」も「これが最高」というような基準もルールもありません。
その自由さの幅が広いために、楽しい反面どうしてもワンパターンになったり、 御自分のメイクアップが他の方に受け入れられているのか(好感度) はなかなか冷静に判断つきません。
そこで、機会がありましたら、是非メイクアップアーティストに 施術(メイクアップ)をされてみる事をお薦めいたします。
最近は、大手百貨店などでの男性メイクアップアーティストの積極進出。
また、メイクアップのサービスは特別なことではなく、 どなたも受けれるよう各メーカーは歓迎しています。
メイクアップサービスは、お客さまがメイクアップをなされている場合は、 必ずメイクアップを落し、スキンケアをし、メイクアップに入ります。
つまり、撮影スタジオでメイクアップをされる 女優・タレント・モデルと全く同様の事をされるのです。
お姫さまモードで、スキンケア〜メイクアップをされるのも楽しいですし 、何よりも「プロのテクニックが直接お肌に伝わる」というのが収穫です。
これには、メイクアップやスキンケアの本を見たり読んだりするよりも、 「すぐに覚えられる」というメリットがあります。
また、プロに大切なお肌を触れさせている以上、御遠慮なく質問できる権利もあります。
「聞かれたら答える。聞かれなくても、その理由を説明する」のは当然のサービスであり、 メイクアップアーティストの義務です。
しかし、漠然と「メイクアップアーティストにおまかせ」では、 せっかく御用意したメイクアップの時間が有効に使いきれないと思います。
そこで、次のことをメイクアップアーティストに伝えてみましょう。
これが会話の切り口となり、多くを語らずとも意図を読みくんでもらえるはずです。
それでは、「何をメイクアップアーティストに伝えればよいのか」。
次のことをメイクアップアーティストに伝えてみましょう。
これが会話の切り口となり、 多くを語らずとも意図を読みくんでもらえるはずです。
・今、感じているお肌の状況 ・今のファンデーションの色は御自分の肌色にあっているのか ・具体的な要望を2つ。 例:眉を整えて欲しい。チークカラーの付け方がわからない他。
少なく思われるかもしれませんが、これで十分「何を望んでいるのか」は伝わりますし、 メイクアップアーティスト側も具体的に要望が上がればそれにリピートしやすくなります。
・今、感じているお肌の状況
素肌では、ある程度観ただけでお肌の状況は掴めますが、 ファンデーションが着いているお肌では、正確に状況は掴めません。
また、お肌は1日の中でもコンデションが変わります。
そのことからも、お客さまよりお肌のコンデションの自己申告があると 「原因と対策」を立てやすくなります。
そして、それをより良好にプラン(スキンケアプラン)するために、 現在使われているスキンケア製品(メーカー・品目・使い方ほか) を聞かれることがあるでしょう。
それを想定し、あらかじめ現在使われているスキンケア製品の メーカーやブランド名・品目(洗顔ソープ、化粧水、乳液他)や、 使われ方(コットンで使っている。手で使ってる。使ってる量など)を あらかじめ整理しておくとよいでしょう。
また、スキントラブルがあっても、いわれずとも確認できるのでお伝えする必要はありません。
もし医師の治療や投薬を受けている場合は、その旨をお伝えくださいね。
お肌&スキンケアに引き続き、その延長にあるファンデーションについて問いてみましょう。
・今のファンデーションの色は御自分の肌色にあっているのか
この質問をなさる場合は、クレンジングの前にしておかなくてはなりません。 また、ファンデーションを落さずに「重ね塗り」を御希望される場合は、はやめに聞いておきましょう。
パウダーファンデーションであれば、即答されると思います。
昨今のパウダーファンデーションは各メーカー、シーズンごとに 進化しているので視感比色(見た目で判断)が可能です。
ただし、「製品の色は良くても、お肌につけると大きく変わったり、質感が不自然」 な製品もあります。これは、なかなか御自分では判断できないことです。
プロの目の方が、あらゆる製品やファンデーションの塗布経験を持っているのでシビアだと思います。
また、リクィドやクリームファンデーションの場合は、 お使いのフェィスパウダーやプレズドパウダー(固形のフェィスパウダー)を聞かれるかもしれません。
もし、リクィドやクリームファンデーションをお使いの方は、 お手数でもフェィスパウダーやプレズドパウダー(固形のフェィスパウダー) を御持参されると、より効果的なアドバイスが期待できます。
それはリクィドやクリームファンデーションを着けた時は、 とてもナチュラルでもフェィスパウダーをつけたとたんに 明度(明るさ)が上がってしまうことがあるからです。
つまり、「白浮き」の原因はリクィドやクリームファンデーションではなく、 フェィスパウダーにあったということです。
このケースの場合は、フェィスパウダーをノーカラータイプ (ファンデーションの油分を押さえるだけでフェィスパウダー自体、色がつかないタイプ) に代えればすべて解決です。
また、極度にファンデーションが崩れやすい場合は、 ファンデーションよりもメイクアップベース(化粧下地)の品質やお使いの量。 メイクアップベースをつけた後、ファンデーションをつけるタイミング他が疑われます。
もし、ファンデーションが崩れやすいのであれば、お使いのメイクアップベース(化粧下地) をお持ちいただくもの一案だと思います。
すべてのコスメティック(スキンケア&メイクアップ)は、 それ一つではなく必ずその前後に使われるコスメティックやその品質に左右されます。
この、「わかりずらくパーソナル」なコスメティック選びや使い方の伝授は、 プロにまかせておくほうがよさそうです。
とりわけ、メイクアップ製品はメイクアップとして結果がはっきりでますし、 好き嫌い(苦手)も比較的明確です。
しかし、何も遠慮する必要はありません。
メイクアップアーティストは、そのオーソリティであり「新しい発見」をお伝えするのも仕事です。 メイクアップアーティストに、「されるがまま」よりも 「わたしのリクエストがアーティストを育てている」くらいの気構えの方がいいでしょう。
メイクアップアーティストは、その技術・知識・経験を使い 「キレイにしてあげている」のではなく、「キレイを引き出させていただいている」のです。
ですから、お客さま(モデル、タレント他)がいてこそのメイクアップ。
また、お気に召さないメイクアップをされたら、それはメイクアップアーティストの腕の悪さです。
幸いメイクアップは「落せばリセット」です。
「重ねづけして直してしまう」ことも可能です。
もし・・・そのようなことはないとは思いますが・・・パウダールームでお直しくださいね。
さて、長々とお話ししてしまいました。
では、メイクアップアーティストにメイクアップの「何を」聞いたり、リクエストすればいいのでしょうか。 それは、「具体的な要望を2つ」としました。
メイクアップは、大別しますと二つに分類されます。
いわゆるベースメイクアップといわれている、 ファンデーション・コンシーラー・コントロールカラー・チークカラー他。
そして、ポイントメイクアップ(眉・目・唇)と言われている 、アイブロウ関係・アイカラー・リップカラー他、色を使われるメイクアップを総称しています。
そしてこれらは、手で使われることもありますが、 メイクアップブラシ他のツール(道具)を併せて使われます。
そのために、付け方やカラーの事も合わせた、施術や説明が必要となります。
また、「単独では効果がでずらく、他と合わせる事で相乗効果がでる」のがメイクアップです。
そのため、一つを聞くと必然的に、関連する他のコスメティックや使い方のお話しに広がります。
例えば、「眉を整えて欲しい」とリクエストでは、いきなり眉を整えず、 普段整えてらっしゃる方法(剃る・切る・抜く)を聞きます。
また眉を整えた後、ペンシルなのかパウダータイプで描いてらっしゃるのか。そして、使われている色は。
これらの情報を元に、さらに簡単にキレイに要望通りになるよう、 コスメティックやツール、方法を御提案し施術します。
ケースによっては、アイブロウコームや眉カットシザース(眉カットハサミ) の使い方を捕足しなくてはならないかもしれません。
このように、一つのリクエストより関連事項がどんどん広がっていきます。 そのために、多くをリクエストするよりも、具体的に絞った方が効率がよくなります。
また、意外と思うようにならないのが 「似合った色(アイカラーやリップカラー)を選んで欲しい」のようです。
イベントに召される洋服の色や柄がすでに決まっている時は、 とても有効なリクエストなのですが、メイクアップ自体、アイカラーをつける瞼のみならず ヘアーカラー・お肌の色(ファンデーションのカラー)・アイカラー ・チークカラー・リップカラー・洋服の色・環境色など、それに影響されるカラーが多く、 「その時は似合っていても、洋服を変えると・・・」が少なくありません。
その反面、
・マスカラやアイラインが落ちやすい ・うまく睫毛がカールできない ・マスカラがうまくつけられない ・チークカラーの付け方がわからない ・このカラーを持っているが使い方がわからない
などのリクエストは、一度施術されただけですべて問題は解決されます。
とかく「メイクアップアーティストにメイクアップをされると、 意図しないイメージチェンジをされた」と、聞かれることがありますが、 お客さまとメイクアップアーティストの言葉によるコミュニケーションとキャッチボールで 、そのようなことはなくなると思います。
どうぞ、御自身の新しい発見と、今お持ちのコスメティックを使いこなすためにも メイクアップアーティストによるメイクアップをうけてみましょう!
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁 |