スキンケアを考える上で角質層のケアがクローズアップされていますが 、スキンケアのプロフェッショナルは、一元的にとらえずに三次元で スキンケアプランをたてます。
お肌を肉眼では確認しずらいのですが、お肌は"三次元"である例えとして 「手の甲」があげられます。
手の甲をよく観察すると、「溝(筋)のような線」が見えますね。
そして、お肌と触り比べると少し感触が違います。
この「見えた線」「感触の違い」があっても、 実はお肌も手の甲と同じ立体をもっています。
お肌表面の三つの立体構成は「毛穴・皮丘(ひきゅう)・皮溝(ひこう)」です。
私たちのお肌表面は一見つるつるしているように見えますが、 拡大してみると皮溝と呼ばれる溝が網目状(ひし形や多角形)に走っています。
この 交差する溝に囲まれた部分を皮丘といい、 "皮丘と皮溝"によって構成されたものを、お肌の"キメ(肌理)"と呼んでいます。
このように、老若男女・人種問わず、皮丘・皮溝(丘と溝)が お肌の凹凸をつくっています。
そして、この凹凸があるために"凹凸が引っかかり"となり ファンデーションが付着したり、"お肌に手やコスメが触れた感触"をつくりだします。
またこの皮丘・皮溝の微妙なバランスが、"キメ(肌理)"の判定要素となります。
・バランスの良い凹凸=理想的なお肌(キメが細かい) ・平坦な凹凸=乾燥肌 ・形がひし形ではなく、流れている=敏感肌
*厳密には、お肌を拡大したりレプリカという測定方法
特殊な光線を使った簡易判定。また、水分・脂分・弾力・皮膚温度・血流・ 残留している余分な角質の有無ほかを測定し、総合的な"肌症・肌質"判断を必要とします。
このように、"皮丘・皮溝"が美肌の判定要因のひとつであり、 さらに"毛穴・角質"の状態を整えることで「化粧品を受け入れる最善の環境」になります。
一例をあげますと、「毛穴・皮丘・皮溝」という 複雑に折りたたまれている凹凸を広げると、 新聞紙約1枚分の面積があるといわれています。
そのために、「手で化粧水をつける」よりもコットンを使ったほうが、 無駄なくお肌全体に化粧水を行き渡らすことができると 提唱している大手化粧品メーカーもあります。
また、この提唱には異論はありません。(筆者の個人見解)
続いて、この"皮丘・皮溝"と化粧品の関係は次のようになります。
【皮丘】
水分・脂分(ご自身の皮脂)・油分(化粧品で与えられた油脂)のバランスで 凹凸が加減する。多いとふくらみ、少ないと平坦となる。
http://www.jsch.or.jp/gyomuannai/hanpu/fig5-9.html
【皮溝】
溝が細い=理想的。ただし他の測定と要総合判断。皮脂過剰の場合もある。 溝が太い=皮丘が平坦だと太い傾向にある。乾燥の傾向。
このように"皮丘・皮溝"は常にコンビであり、 コンデション(体調・食生活・化粧品の相性)によって凹凸の変化が微妙に生まれます。
そのために、素肌時では「日による見え方や感触の違い」。 メイクアップでは、ファンデーションのツキが違ってくるのです。 「素肌は、1時間たりと同じコンデションではない」のが 、お肌の不思議なところです。
そして、そのコンデションを統一させるのが、コスメの役割なのです。
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁 |