お顔のプロポーション

身体にプロポーションがあるように、お顔にはフェイス・プロポーションという
「整ったお顔だちの基準」があります。

このフェイス・プロポーションはメイクアップのみならず美容外科でも、一つの「美の基準」として認識されています。

フェイス・プロポーションとは、顔の中の眉・目・鼻・唇の配置のバランスをいい
修整メイクアップ(コレクティブメイクアップ)では、
それを標準のフェイス・プロポーションとし、

それに近付けるべく眉・目・鼻・唇各所に各メイクアップ技術を施します。

標準のフェイス.プロポーションは、

・顔の長さ=額の生え際から眉頭まで。
 眉頭から鼻の先端まで。

 鼻の先端から顎の先がまでをそれぞれ分割し1/3づつ均等である。
・顔の横幅は目の幅の5倍。

・眉は眉弓骨に沿い、眉頭は目頭の真上よりやや内側。

・眉の長さは、小鼻から目尻を結んだ直線と眉頭下に水平ラインを想定し、
 その接点を眉尻の終わりとする。

・唇の位置は鼻の下から顎の長さを3つに分割し、上1/3とする。

・口角は黒目の内側の真下。唇上下のバランスは1:1から1:1.5の割合。

としています。またこのフェイス・プロポーションにおける、
眉・目・鼻・唇の配置のバランスは「お顔の印象(イメージ)」を分析する基準にもなっています。

ところが、このフェイス・プロポーション、発案されたのは1960年代に米国のメイクアップ・アーティストです。

そのため、あくまで欧米人に適応する「美の基準」なのです。

にもかかわらず、長年この基準に訂正がないのは「シンプルかつ、わかりやすい」ということからのようです。

しかし残念ながら、この基準や測定方法に長年なんら疑問をもたれず、
メイクアップを解説している書籍や女性誌の特集、
化粧品メーカーのパンフレットやリーフレットに必ずともいえるほど
フェイス・プロポーションやフェイス・プロポーションを基準にしたメイクアップ方法が記載されています。

「個性=パーソナル」を大切にしている時代に逆行しているとも思えるフェイス・プロポーション。

それでも、今なお使われ続けているのは「シンプルかつ、わかりやすい」に尽きるでしょう。

残念ながら、「日本人に適応したフェイス・プロポーション」を確立する動きはないようです。

*かってウェイ・バンディというメイクアップアーティストが「眉のフォルム」を
前述フェイス・プロポーションに加えたことがありました。
「眉のフォルム(カーブ)は、正視した眼の上のカーブ(睫のライン)と平行」
この提案、人種問わず適応している基準だと思います。

渡会治仁【文章】お化粧コンサルタント メイクアップアーティスト 渡会治仁

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