NMF(えぬえむえふ)、すなわちNatural Moisturizing Factorの略です。
しかし、昨今この定義を独自解釈されているメーカーさんが少なくないようです。
同じNMFの説明についても、
A) > 角質細胞内に点在し、水分を角質層の中に閉じ込めている成分。 > およそ半分がアミノ酸で構成されていて、これが不足すると角質細胞 > そのもののうるおいが失われ、角質層の重なりが乱れて肌荒れや乾燥 > などのトラブルを招いてしまう。
B) > 自然(天然)保湿因子ともいいます。 皮膚の一番外側の角質層の中にあり、 > 水になじみやすく水分を保持する物質のことです。
C) > 常在菌の含まれる 天然のバリア機能=皮脂膜=のことをいうのです。 > その人のためにその人自身が分泌するものによって「その人自身を守る力 > を持つ皮膚生理上の産物」とでもいいましょうか。 > 天然のNMF=皮脂膜は、肌から必要以上の水分の蒸散を防ぎ、肌内に > とどまって働くために必要なだけの水分量の維持に努め、新しい元気な > 皮膚の正常な生まれ変わりに貢献し、健康で丈夫な肌を育成するので、 > 紫外線や肌に害のある各種悪玉菌の繁殖や増殖を妨げたり、外界の刺激から > 肌を積極的に守ったりして、肌の潤いや滑らかさ、また 張りや弾力のある、 > 血色のよい きれいな肌を 作ることができるものなのです。
のように著しく異なります。
で正しいのはC)。
もっとわかりやすく言いますと、 「汗と皮脂が混合された、自然のクリーム(皮脂膜)」。 そして、その効果効用をC)が適切に解説されています。
そうと断言できるのは、このNMFを定義し、世に広めた故人より、 長年直接指導を受けてきたからです。
NMFを例にしましたが定義を独自解釈されているのは、 メーカーというよりライターさんだと思われます。
少なくとも美容従事者は十分理解しています。
「NMFは響きがいいけど、インパクトが弱い」。
もし、そんな理由で定義を変えてしまわれているのであれば、 ライターさん・記載を認めたメーカーさんの良心を疑ってしまいます。
都合のいい解釈と説明。それが少なからず蔓延しているのは残念なことです。
ちなみに、理想的ななNMFを生成するのは、お風呂あがりです。
身体が、そしてお肌が健康であるからこそ自然に生成されるNMF。
各種スキンケア商品は、そのサポートのためにあるのです。
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁 |