数十社からメイクアップ製品が送られ、その中から「コレダ!」と思うコスメを選ぶ。
また、撮影スタジオに持ち込むコスメの量は、一般の女性が一生使う数量を越えています。 その中で、撮影意図にあわせたコスメをセレクトする。
コスメに対する質疑を受けても、迷わず即答。
実際、メイクアップアーティストの仕事を観た方は、その手際の良さに驚かれている様です。
プロと一般の方との大きな違いは「手の甲(時にはお肌の一部)につけても、 それが頬や瞼、唇ほかにつけた時の状況を予測できる」ということだと思います。
この間、数秒。ほとんど「直感」に近い感覚です。
何ヶ月も時間と開発費をかけて開発されたコスメ。化粧品開発の方には申し訳ないのですが・・・ プロの決断は速いですし、しかも的確です。
手の甲やお肌の一部がセンサーであり、視覚や感触から「使う現場をシュミレーション」できるのです。
これがプロである由縁。メイクアップやヘアーがうまいのは当たり前ですので・・・。
コスメはメイクアップアーティストやヘア&メイクにとってはパートナーです。 だからこそメイクアップ製品を熟知していますし、セレクトには迷いがありません。
またそれは、キャリアがあればあるほど著明です。
それは、お肌のコンディションやコスメの乗り方(お肌に着いている状況) を常にシュミレーションしているからだと思います。
どんなに「良いと言われているコスメ」でも、それを最大限に生かす・使いこなすのには条件があります。
ファンデーションでは、「メイクアップベース(化粧下地)の適量」というのがありますし、 マスカラでは「睫毛に油分・水分が付着していない」という前提があります。
そのような一定化の条件下で、使えるコスメを選ぶからこそ冷静に判断できるのです。
裏を返すと、「ファンデーションは、メイクアップベースが適量で 着いているお肌の上で使用されていなければ、ファンデーションは評価できない」。
また、「油分・水分が付着している睫にマスカラをつけても正当な評価はむずかしい」 ということになります。
メイクアップ技術やコスメを使うための基本ルールを熟知し、厳守しているのがプロであり、 コスメ選びにはそれが反映されているのです。
そのために一般の方のコスメ評価よりも客観性があり、その根拠が明確です。
プロのコスメ選びが信頼されている理由は、ここにあるのです。
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁 |