メイクアップアーティストやヘア&メイク、
ビューティアドバイザーさんや美容師さんも含め
「お客様にメイクアップを施術する技術者」をメイクさんとしますね。
「お顔に触れる」という職業は、美容外科や形成外科
皮膚科他の医療関係のほかは、メイクさんしかいません。
また、「お顔に触れる」だけではなく、コスメティックを使い
「美」を演出補助する心理的な側面も持った特殊な技能とも言えます。
その技能習得のために専門学校や社内講習、独学という方法がありますが、
学習者の適正や指導者のスタイルによって技術差が生まれます。
すなわち、「プロ」であってもその域に達していない
プロも存在しているということです。
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筆者自身、長年この仕事に従事し、
多くのメイクアップ初学者を指導してきました。
また、同業者の仕事もできる限り見学させていただいています。
その中で、
「メイクさんの自己満足ではなく、お客様の要望をしっかりこたえている」
という方が少ないのが残念でなりません。
過度なメイクアップやファッション性を高めすぎメイクアップ施術後、
お客様がパウダールームで直されていることが少なくありません。
プロである以上、メイクアップが上手いのは当たり前ですが
お客様にアートは必要ありません。
まれに、この意識が希釈なメイクさんがいるようです。
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さて、前置きが長くなってしまいました・・・。
見極めはとっても簡単です。
満足いくメイクアップを提供してくれるのは、
『鏡を覗き込まないメイクさん』です。
鏡はお客様のためのものであり、メイクさんが(自分が)
施術したメイクアップを確認するためのものではありません。
にもかかわらず、何故覗き込んでしまうのでしょうか?
メイクアップは一連の手順で施されますが、何か迷ってしまった時。
その「次をどうしようか」と考えるわずかな時間、
「鏡に映ったお客様を覗き込む」ということを無意識にしてしまいます。
多いのは眉を描いた後で、
「左右対称に描けているかを確認している」ようには見えますが
実際は「考えている時間」なのです。
メイクアップの無駄のない動きは、
止まることなくキレイでシンプルが極意です。
女性誌などのプロセス写真ではわかりませんが、
TVで放送される有名メイクさんの手の動き(流れ)は止まっていません。
手の動きと同時に、お話ししているはずです。
また、「覗き込む」ということもしていないはずです。
これは演出ではなく、
「覗き込むことは失礼」であり美しい行為ではない。
手の動きと思考が一致しているので
「手が止まる」「手を止める」必要がないからです。
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もし、メイクさん自身の手の動きや身体の動き自体がキレイだったり、
『鏡を覗き込まないメイクさん』と出会いましたら
迷わず施術してもらいましょう。
そのメイクさんは、
お客様と美を共有する喜びを知っているメイクさんです。
メイクアップのみならず、
ビューティーに精通している心強いアドバイザーになってくれるでしょう!
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁
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