残念ながら絶版となってしまいましたが、 1993年6月大手化粧品メーカーより、 「化粧心理学 - 化粧と心のサイエンス - 」 と題された430ページに渡る書籍が 発行されていました。
内容は、 化粧の生理心理学的効用や臨床的応用をはじめ、 化粧をするという行為の意義、そして化粧の 起源・歴史に至るまで、「化粧と心」のかかわりに ついて。
さらにマッサージ、スキンケア、メイクアップ、 香りの心理的効用など、化粧療法にまで領域を 広げた美容従事者にとって必読の書籍でした。
しかし、この書籍が発行されて以降 化粧(行為)がセラピーとまで広がり 安易に美容技術を「セラピー=療法」 とされるのには疑問を感じます。
よく知られていることでは、高年齢者にメイクアップ (スキンケア他の美容技術含む) を施すことで行動・発言がポジティブになります。
また、
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe179/ManabiKiwame/manabi43.htm
のように女性認知症患者さんに効果があったとの報告もあります。
このようにとても喜ばしい反面、重要な「事実」が クローズアップされていないように思えます。
それは、美容技術を施すことで改善の方向に向かうのではなく 「他者がお肌に触れた(触れる)」というスキンタッチが "心"を開放しているということです。
メイクアップアーティストの場合は、 メイクブラシやスポンジを 自身の「手の延長」と考えています。
まず、"心"がありその延長に手。
そして手技。
"心"がメイクブラシやスポンジに通じた 時に最高のメイクアップをすることが できます。
これはオカルト的なことでもなく、 メイクスクールの生徒さんと プロの差でもあります。
言い換えると、メイクアップの奥義の ひとつ。
これを皆さんの身近な スキンケアに置き換えると、
「コスメをお肌につけるとき」
があてはまります。
ただ手やコットンでコスメを お肌につけるのではなく ご自身の理想としているお肌を 想像しながらつけます。
このセルフセラピーともいえる "心から手への思いの移動"がさらに スキンケアを確実な結果を導いてくれるはずです。
科学的にとか、心理学的にとかは わかりません。
ただただ経験的に、 "心がビューティーになにかしらの影響がある" のは間違いありません。
少し堅苦しいお話となってしまいましたが、 もし「なんとなくコスメを使っている」 のであれば、数日間お肌に。
そしてコスメ達に"こころ"を込めて
みてくださいね♪
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁
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