パラメディカルとメイクアップ

ビューティーの中で一般的に知られている職種以外に、
パラメディカルの中でも参画されていること
・・・ご存知でしたか。

それは、華やかであったり派手な職務ではありませんが、
"美容業務"の中でも最もヒューマニティーであり
豊富な経験や高度な技術が要求されます。

しかしまだまだ問題が散見し、
パラメディカルにおける美容業務は
完成しているとは言えないでしょう。

とはいえ、社会への認知と
医学界への理解を深めるために活動されている
団体や個人がいらっしゃいます。

美容従事者が関与できる、ビューティー。

それは、

・毛髪関係(ネイル含む)
・スキンケア
・メイクアップ
・審美に対する技術や知識全般

ですが、中でもメイクアップにおける
特殊メイクアップ(3次元メイクアップ)は
その需要根源が元々パラメディカルからでした。

時代は世界第一大戦に遡り、フランスだけでも、
60万人もの取返しのつかない変形をのこした
人々が生じました。

フランス政府はアメリカ赤十字にこの問題解決を依頼し、
アメリカ赤十字はそのひとつとして“Portait Mask”
のスタジオを設立。

その指導監督をアンナ・コ−ルマン・ラッドが行ない、
一年間この仕事に従事し、97もマスクを製作しました。

そして、これよりエビテ−ゼと呼ばれる顔の欠損部補綴処理
(悪性腫症の損出、外傷による耳や指らの欠損等)
が研究開発され現在に至ります。

※臨床使用の報告は1932年、ブルブリアン氏。

また、メイクアップのカテゴリーの中
カバーメイクやアクシデントメイクアップ。

メディカルメイクアップ、リハビリメイクアップ。

メイクオーバー、ブレミッシュカバー、
コレクティブメイクアップ他、
「健常皮膚の肌色に近づけるメイクアップは」
1923年、自らアザをもつリディア・オリリ−夫人
がそのアザをカバ−する(隠す)化粧品を
考案したことからはじまりました。

これが「カバ−マ−ク」(商品名)です。

※ このメイクアップにおいては、
  定義や技術名が明確ではありません。

このように、「顔を自在に変える技術者」である
メイクアップアーティストにおいて
"カバリング技術""欠損部補綴物制作"
双方の技術は当然習得されているはず
なのですが・・・。

育成機関である、メイクアップスクールや
美容学校での啓蒙や教育が行き届かず
一部のメイクアップアーティストのみが
理解と技術を習得しているのが現状です。

パラメディカルに参画している
"カバリング技術""欠損部補綴物制作"
については「特殊」(決め付けでしかない)
であったり「非日常」であること。

それをメイクアップアーティスト間や
教育指導者の間においても
「メイクアップの中でも"異端"であり
特別な分野(技術・知識)である」という認識。

また、エピテーゼ(欠損部補綴物)においては
メイクアップの歴史的背景により
"モンスターをつくる技術"として応用。

それが、
"不愉快や恐怖心を誘発するメイクアップ技術"
とまで発展し、いまやパラメディカルとは
一線を引いてしまった感があります。

また、メイクアップアーティスト志望者は
華やかであったり派手な職務であることを
望んでいます。

そのため、パラメディカルとメイクアップの
関係を知ったとしても無関心。

残念でなりません。

これらは、ほんの一部の問題ですが
まだまだ"なしえなくてはならないこと"が散見し、
パラメディカルにおけるメイクアップは
完成しているとは言えません。

とはいえ、社会への認知と
医学界への理解を深めるために活動されている
団体や個人がいらっしゃいます。

当メルマガ執筆者
渡会治仁は、支援し続ける所存です。

 

【参考】

■執筆者プロフィール

http://makeup.gogo.tc/text/prof.html

■パラメディカル(Paramedical)とは

http://www.chikennavi.net/word/paramedical.htm

■熱傷フェニックスの会

http://www.phoenix-society.gr.jp/

渡会治仁【文章】お化粧コンサルタント メイクアップアーティスト 渡会治仁

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