皆さんが目にする、TVや雑誌でおなじみの
メイクさん。
すなわちメイクアップアーティスト。
※以下、MAと表記します。
本来は、表にでず裏方だったのですが
その豊富な知識や技術の裏づけが
しっかりしているので情報発信先(元)
としての役割もクローズアップされています。
しかし、意外と・・・出身校である、
メイクスクール名や美容学校名を伏せています。
理由はMA各位の事情があると思われますが
経歴のみばかりを強調されるのは残念ですね。
しかし、隠そうにも隠し切れないことがあります。
それは、"手の動き"や"メイクアップの手順"。
スポンジやメイクブラシの持ち方や使い方で、
おおよそ「誰から(どこで)学んできたのか」
が推測できます。
その理由は、日本のMA(業界)に
"師弟関係"が希釈ながらも残っている
からなんです。
日本のメイクアップの草分けであり、
現在に至るまで精力的に後進指導に
あたってきた大御所MAは3名。
すなわち、現在のMAはこの3名の
大御所いずれかに師事していたはずなのです。
※直接でなくとも、弟弟子や孫弟子という
系譜が読み取れます。
そのために、自然と師の動きが身についています。
悪く言えば、癖となっているのです。
それで、「ああ・・・この方は、○先生に学んだ」
とわかるのです。
特に著名なのは、チークブラシと
リップブラシの使い方です。
リップブラシの使い方で、手の甲が
常に上なのは○先生に師事された可能性あり。
かつ、ブラシ類を長めに持つていれば
○先生に師事されていたでしょう。
というように比較的わかりやすいのです。
そのため、有名メイクアップアーティスト
が「実は弟弟子」ということもあるのです。
独学では何年もかかることを
師弟関係で短期にメイクアップをマスター。
そして、
常に最前線で"美の情報発信者"
として活躍。
またTVや雑誌のみならず、
舞台や映画の世界もMAは
「裏方」としていても常に"美"に
目を光らせています。
MAの世界は、これからも
良き「師弟関係」を背景に広がっていくでしょう。
「メイクアップの仕上がり」のみならず
"手の動き"やメイクブラシの使い方他、
少し違う観点でMAを観ると
より身近に感じるはずです。
それはメイクアップ自体が"人から人へ"
と伝わっている、温かい技術であり
職業にもなったからです。
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁 |