美容研究家(美容家)という仕事は
インタビューや記事で
常に新しい発言を求められます。
そのために、他社とは違う美容方法。
他雑誌には書かれていない、
スキンケアのトピックス。
目立つ、新しいスキンケア理論。
そして雑誌やムックのみならず
出版される新著でも同様のことが求められます。
つまり、"他美容との差別化"という難題です。
この難題。
仮に30年以上のキャリアがあっても
"常に新しい""誰も知らない"という情報は
ふたつのことから広げざるをえません。
ひとつは、現在知る方が少なくなった
古い技術や方法の復活。
いわゆる、美容領域での、温故知新。
その代表的なのは、以下の3アイテムです。
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■眉を描くときの型紙
かって、爆発的な販売数だった
「アイブロウスケール」。
眉を描くときの、透明の型紙
(プラスティックシート)のことです。
この便利な型紙。
すでに1960年代に存在していました。
■コットンパックやラップを使う保湿方法
O.D.T法(密封包帯法)といって
1981年・・・30年前から
医療技術を取り入れエステティックで
普通にされていた方法です。
この当時のスキンケアコスメは
お肌に浸透や導入が現在ほどではなかったので
使わざるをえなかったのが背景です。
不織布で目や口を空けたマスク
も同様でO.D.T法の応用法でした。
■クレンジングオイル
1967年、シュウ・ウエムラがクレンジングオイル
という名称ではなく、「アンマスク」として発売開始。
「クレンジングオイル」という名称にしたのは1978年。
某有名通販メーカーの1995年発売開始より、
はるかに古くから「クレンジングオイル」を
販売していたのです。
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次に・・・厳しい言い方をすると、
"思いつき"です。
確かに、ユニークではあるのですが
昨今の日進月歩のコスメ事情や
ライフスタイルからすると
やや無理があります。
【 例 】
・メイクに30分かかったら、クレンジングも30分。
納得できて、これを実行できますか?
毎日です・・・。
・洗顔時に強くこすって洗うとシミの原因となる。
そのため、お肌に優しい泡洗顔がいい・・・と。
なんでもなさそうな、アドバイスですが
"シミの原因"と断言するには
美容研究家や皮膚科医の見解だけではでなく、
内科医や精神科の見解も必要です。
また、美容従事者は医師ではありませんから
病名を具体的にあらわさないのが通例です。
このようなことから、とかくスキンケアやコスメは、
"新しい情報"が常に創られています。
しかし、必ずしも関係各所の総意ではなく
個人的な発言がほとんどです。
その"見極め"ができて、
日常のスキンケアに取り入れれる可否を
選べるのが"賢いコスメユーザー"と言えるでしょう。
読みものとして参考にどどめるのか。
即実行すべき情報のなのか。
前者が増えてきているのが残念です。
【文章】お化粧コンサルタント
メイクアップアーティスト 渡会治仁
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